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メイドってなに?

前の二回は、メイド養成アカデミーなのにメイドの話から逸れていました。ここら辺から少しずつ話していきますね。

そもそもメイドって何でしょう?
メイドの語源“maiden”は、「処女性をもって仕える者」という意味を持ちます。「処女性をもって仕える」というと、巫女さんを想像しますが、古代の王様は神権の代行者ですから、神に仕えるのと王に仕えるということは同じ意味となります。つまり神に仕える巫女と、王に、そして貴族に仕えるメイドは同じような存在ということになります。
大体、結婚すると引退するところも同じですし、逆に一生結婚せずに仕え続ける人がいるところも同じです。

王や貴族は広大な敷地と屋敷を持っていますから、現代のような電化されていない時代では、その維持に多くの人力を要します。そうすると大勢の使用人が必要になり、男性使用人(フットマンなど)も女性使用人(メイドなど)も数が多く必要になります。

でも、メイドってそんなに人気のある仕事だったのでしょうか?

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アキバの街は特別?

アキバでメイドのお店を始めてから、多くの取材を受けました。また、アキバに来るのが初めてという方々に、アキバについてお話しする機会も増えました。
そういった方々とお話しする際に、結構な確率で「なるほど」と言われるのが、“エンターテイメント・フィルタ”(私命名w)についてです。

皆さんは、アキバの「メイドではない喫茶店」がどこにどれくらいあるか、意識した事がありますか?
マンガ専門店は知っていても、一般書籍を扱う書店がどこにあるか知っていますか?
また私の店はメイド整体ですが、普通の整体店がアキバのどの辺りにあるか知っていますか?
案外知らない方が多いのです。

でも、メイド喫茶やコスプレ居酒屋は知っていたり、同人誌ショップははしご出来たり、アニソンに強いカラオケ屋さんは押さえていたりします。これは何故でしょう?

日常的でも観光でも、アキバには「何か面白い事がないかな?」と期待して来られる方が多くいらっしゃいます。そうすると、面白そうなもの・楽しそうなものは目に付き、一般的なもの・他の街にもありそうなものに気付きにくくなるフィルタが働きます。これを私は“エンターテイメント・フィルタ”と呼んでいます。
これはカクテルパーティー効果の一種と考えられます。どんなにパーティー会場がザワついていても、自分の名前を呼ばれたり言われたりすると気が付くという効果です。

このフィルタが働いてしまうと、同じ業態であっても“面白み”が無いと存在に気付かれにくい、という事態に陥ります。

私は面接を近所の喫茶店で行うのですが、その前を通って当店にたどり着いたのに、気付いていない方が多くいます。でも、そのビルにメイド喫茶が三件入っている事は、たいていの方が知っているのです(どのビルか判ってしまいました?)。
また、このブログを御覧の方で何人の方が、ヨドバシカメラさんの中に普通のリフレ店があったり、妹カフェのNAGOMIさんの上に普通の整体店があったりすることをご存知でしょうか? これも知らない方が案外多いのです。

アキバの街は戦後からずっと、トンガった文化の発信を担ってきました。ラジオなどの電化製品に始まり、オーディオビジュアル、パソコン、ゲーム、マンガ、アニメなど、「アキバに行けば必ず何かある」という状況が確立しています。
その神話が「アキバにいけば楽しいものがある」という固定観念を生み、それが「エンターテイメント・フィルタ」となって働いているのではないか。それ故にアキバは特別な街なのでは? と思う次第です。

アキバで仕事をするということ

私自身の最初のアルバイトがアキバだったり、今の店を開く前にとあるアキバ系の会社で仕事をしていて、アルバイトの採用をお手伝いしたりした経験から見えてきたことをお話しします。
アキバで働こうとする人の何割かは、「どのような仕事に就くか」より「アキバで働く事」を目標にしてアキバを選ぶ方が居ます。それは“自分の趣味に関わる街で仕事をしたい”という欲求を持ってアキバに来るからです。そして、多くの方がいわゆるオタク的な趣味嗜好を持ち、その趣味に対する“その他大勢の方からの温度差”を感じて生活している場合が多いため、「アキバならオタク的な趣味も、それを好む嗜好も受け入れてくれる仕事場があるに違いない」と夢を持って集まってくるのです。(私もアキバ系の会社に転職した際の動機の一つは、「趣味の話が出来る人が職場内に一人しか居らず、息が詰まりそうだったから」です。)

例を挙げて言うと、「自分は同人(コスプレ)活動をしているが、アキバの会社だったらそういった活動に寛容で、コミケなどに行くことを咎められないだろう」という考えを持っている方が、面接を受けに来るのです。

ところが、この考えに大きな間違いがある事は、賢明な方ならすぐお判りでしょう。

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最近の事情

2007年の秋ごろから2008年にかけて、多くのメイド系(コスプレも含む)のお店に動きがありました。幾つかのお店が閉店して行き、また幾つものお店が新規オープン致しました。
特にショッキングだったのは、「不動産の事情」により閉店に至ったお店が幾つもあったことです。経営が上手くいっていた(ように見えていた)にも関わらず、ビルが建て替えられるために閉店、移転先もなし、ではファンの方々の落胆はさぞや・・・というものから、不動産のオーナーとお店のオーナーが不仲になってしまったため、というウワサが流れながら閉店・・・というものも聞き及びました。ウラは取れていないので事実誤認だったらごめんなさいですが(まさか“ケンカしたの?”とは聞けませんしね)、営業努力以外のところで要因が発生してくるのはやるせないものがあります。
一方、新規に開店したお店では「メイド〜」という定冠詞を使わないお店(でも店員さんはメイド服)が出てきました。これは、一部マスコミによる強固な「メイドのイメージ」が出来上がってしまっているため、その固定観念を当てはめられたくないという想いが、名称に「メイド〜」を入れないという流れを生んだものと思います。
メイドやアキバに対するマスコミの誤認具合は、紅白歌合戦の“アキバ枠”を見れば明らかですね。あそこで桃井はるこさんか平野綾さんを連れてきていれば、「NHK判っているな!」と思ったのですが(個人的には川田まみさんもアリですw)、日本引きこもり協会にはなり得なかったようです。

また違ったコスプレ系だと、男装のギャルソンさんや、ガンダム系の衣装の店員さんのいるお店がオープンしています。メイドだけではない、新たな試みとして広がっていけばと思います。

それらとまた別の観点で見ていくと、昨年はメイド系の店でいわゆる「美味しい食事やスウィーツを提供出来る」「接客の質が高い」という評判のあったお店の閉店が目立ってしまったようにも感じられました。経営状況など様々な要因はあるでしょうが、良い評判を得ながら閉店していくお店が複数あったことは実に残念でなりませんでした。料理と接客の質は一朝一夕で高める事はできませんので、これらのスキルを備えた人的資源がアキバから流出してしまったのではないかと思うと、慙愧に耐えません。願わくば、まだアキバに居てくれれば良いのですが、どうでしょう。

一年を振り返って

2007年の一月三日に「秋葉原のメイド志望の方たちに、第三者的なアドバイスを出来ないか」と思い立って早一年が過ぎました。実際にセミナー形式のアカデミーという場でお話しさせていただくことが出来、多くの方々にお会いする事ができました。また、他店の店長様方と連携を取って活動するという経験をさせていただいた事も、非常に貴重な体験でした。
本業の方が慌しくなってしまったため、実際にセミナー開催を出来たのは約五ヶ月でしたが、大変有意義な時間だったと思います。(この形式はまた折りを見て開催して参りたいと思いますが、今回は置いておいて)

一方、日にちを決めて直接会場に来ていただいてお話をするという形態は、「行きたいけれど都合が付かない」というご意見を多く頂戴してしまいました。それを乗り越えて参加していただいた方々が大変多くいらっしゃった事に感謝しつつ、来られない方々に我々の思いを届けるにはどうしたら良いか考えた末たどり着いた結論は、「ブログ上での公開」でした。
しかし、既にセミナーに参加していただいた皆様からは参加費を頂戴しておきながら、いきなり無料公開ではあまりにも失礼では・・・ということで悩んだ末、公開まで半年の期間を置き、参加者の皆様には減価償却したつもりでご容赦をいただければと存じます。

また、この半年間で秋葉原のメイド業界の事情が大きく動いていることもあり、現状に即した情報を交えて日々変化する情勢に対応できればと考えております。
私個人の知りうる範囲なので決して普遍的なものとは言えないかもしれませんが、秋葉原の日通倉庫で最初のアルバイトをしてから数えて、アキバ歴22年の“いちオタク”からのアドバイスと思っていただければ幸いです。

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プロフィール

Author:ナルバレック
秋葉原のメイド整体サロン「癒あmaiden」にて、家令(ハウススチュワード)を勤めております。
この度は、メイド養成アカデミーを主宰させていただいております。

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